バッカーノ!1933/成田良悟

 お得意のマルチオープニングから始まる今作。様々な組織が偶然の中、一同に集う場面は何度読んでも上手いなと思う。しかし今回の場合は、同時にではなく順番に集まってくる。読み進めるうちに段々とテンションが上がっていって、最後にはラスボスの登場って感じ。おそらくはロニーのすごさを引き立てるための演出なんだろうけど、やっぱうまい。
 成田さんが「主人公はチックとマリア」と書いていたけど、かなり異色な組み合わせに思える。今まではどっちとも完全に脇役だったし。でも、殺し屋と拷問屋だけどそれぞれ信念があって、強くない主人公というのもいいかなと思った。
 相変わらずバカップルはいいキャラだったし、新キャラを出しつつも旧キャラの株も上がっていくっていうのが、シリーズモノの見本みたいだなと思った。