バッカーノ!1933/成田良悟

 下巻の方は、上巻と違ってすれ違い、すれ違い。そして最後は派手に終結&バトルな、まさに筋書き通りな展開。すれ違いの部分は、出会ってはならない者同士が出会ってしまったり、出会いたい者同士がぎりぎりで出会えなかったりの連続。さして面白いというわけでもなく、後半への引き立てどころみたいなもの。
 しかし盛り上がるはずの後半、思ったほど盛り上がらなかった気がしてしょうがない。メインともいえそうなヴィーノとクリストファーの一戦も、ヴィーノが手を抜いていた上に余裕ぶっかましていてマジバトルじゃなかったのでイマイチ白熱しなかったと思う。ネブラ社の謎についても、雰囲気からバレバレな感じだったし、さほど大したものでもなかったように思う。
 今巻の功績はといえば、チック&マリアという妙なカップルを生み出したことと、ラミアやヒューイを登場させて、だんだんと風呂敷を広げていったくらいじゃないかと思う。