カオスレギオン/沖方丁

 冒頭部分、年表と断片的な物語。重要な台詞を作中で幾度も繰り返すことで、心に刻まれていくとともに、その重要度も増してくるようだ。
 絵に描いたような王道のファンタジーなのだけど、二重の意味でキャラがいい。一つは、現在の仲間。そしてもう一つは親友、それに愛した人という昔の仲間。しかし、元は親友、今は敵。「何故裏切った」「知りたくば追ってこい」って辺りほんとストレートだね。平等の意味を履き違えた思想なんかは猛烈なデジャヴュがする。何から何まで王道すぎるけれど、印象に残った台詞の多い作品だ。