デザインの煎じ薬/武正秀治

デザインの煎じ薬・全十三包―じわじわとデザインのことがわかる本

デザインの煎じ薬・全十三包―じわじわとデザインのことがわかる本

 デザインを学びたい人向けの分かりやすいデザインの本、ということだったけど確かに分かりやすい。アフォーダンスから、豊かさ、かわいい(愛着)や、定番、それに気配など様々な観点から、良いデザインとはなにかを説明しているけれど、ここで一つ一つについて説明するのは果てしないので省略する。
 ただ、その根幹にある事柄について言えば、本文中にあった芸術とデザインの違い。芸術は自己を表現するものだけど、デザインは目的を表現するものだということ。これには心底ナルホドと思わされた。おそらくこの二つをごちゃまぜに解釈してる人は多いんじゃないかと思う。誰が為の、何の為のデザインか。
 分かりやすいけれど、それほどインパクトもないこの本。煎じ薬、だからこそ後々に効いてくるのかもしれない。