七姫物語 第二章/高野和

七姫物語(2) 世界のかたち (電撃文庫)

七姫物語(2) 世界のかたち (電撃文庫)

 1巻読了から、1年以上の間が開いたからか、序盤はなかなか話の流れに馴染めなかった。さらに、雰囲気は出ているけれど、ちょっと文章が読みにくい気がする。
 そんなこともあって、中盤近くまでは殆ど面白さを感じることがなく、ただ読み進めていくような状況だった。
 しかしながら、独特のステキな雰囲気は健在。世界観が、描写が、物語が見事にマッチしていて、素晴らしい。
 そして後半部の盛り上がり。台詞の一つ一つに重みがあって、心に響く。
 終章のカラとクロハの会話は、圧巻。巧すぎる。
 声高らかに「面白いっ!」とは叫べないけど、味のある良さが感じられる作品。