シフト -世界はクリアを待っている-

シフト ―世界はクリアを待っている―

シフト ―世界はクリアを待っている―

 うえおさんの悪魔のミカタ以外の初作品ということで、読む前はすごく期待していた。
 とりあえず読んでいて、なかなか面白くならないのでスタートダッシュが遅いかなと思っていると、最後にやってくれた。
 ……なんだあのオチはっ!?
 絶妙と言えるかもしれないが(自分はそうは思わないけど)、敢えて言うならばかなり消化不良。
 いろんなものをほったらかしたまま終わってしまって、最後はそこかよみたいな。
 例えて言うならば、風呂敷を広げてたたまない某大説のようなものか。
 物語以外については、さすがといった感じ。
 MMORPGを現実に近づけてきたような設定も、ちゃんと生かしさえすれば面白いと思うし、登場人物もキャラが立っていて、会話シーンもすごく面白い。それから人間関係の描き方もも、上手い。
 それだけに色々と惜しい作品。
 せめて文庫で3〜4冊にして出して、きちんと最後まで書き上げるべきだったんじゃないかなぁと思う。