眠り姫/貴子潤一郎

眠り姫 (富士見ファンタジア文庫)

眠り姫 (富士見ファンタジア文庫)

12月のベロニカ」の貴子潤一郎が綴る短編集。

眠り姫

展開の早さが目に付くが、どうやら濃縮小説というやつらしい。序盤の主人公の楽観思考がやや気になるが、全体的に見ると真っ当な恋愛モノで、面白かった。終わり方もよかったと思う。

汝、信心深き者なれば

何故か周囲の状況が変わっていて、自分以外はそれに気付いてないという不思議さ。こういうサスペンスチックなのは好きだな。
内容は、悪役が貶められていくって感じだけど、終わりの部分が凄く上手いと思った。

さよなら、アーカイブ

話が読めてくるんだけど、それでも予想できる内容を面白いと思えるのはすごい。
本当のことが分かってからは司書に会えていないというのところに不思議さと薄気味悪さを感じて、好きな雰囲気。

水たちがあばれる

思った以上にかなりダークなお話。
人間関係もつれすぎて、こういうのは読んでいて胸が締まる想い。
しかし結局は水の事なんか全く分からずに、良い終わり方をしてしまった。

探偵真木

ヤクザと探偵とビートルズの物語。
変なヤクザと探偵という妙ちくりんな組み合わせが見もの。
あと、探偵がすごい。解決シーンはどれも圧巻。
物語の展開運びが非常に上手いと思った。