echo -夜、踊る羊たち-/枯野瑛

夜のシーンは白黒反転のインクの無駄遣いな小説。主人公と、その妹、彼女の3人の会話がなかなか面白い。特に彼女の方は女っぽくない喋りで、淡々と話す様がいい感じ。本編の方は結構ダークな内容。ミステリではなくともミステリアスなストーリー。あまり物語の山がなく、淡々と進み、なんとなく喪失感。
それほど面白いと言うでもなく、これといった見所があるでもないけれど、何かを失くしたような雰囲気が味わえる、それが醍醐味だろう。