些事

最近、本を全く買わないようにしているので、本屋に行った時の楽しみ方は専ら、タイトルを眺めて内容を想像し、面白そうだなぁと妄想するくらい。本屋にてワクワクドキドキ感を疑似体験、さらに内容がつまらなくともタイトルが面白そうならば全然ＯＫ、なおかつ無料、読み（想像し）放題。これはちょっとお得なのではないかと思ってきた。ウィンドウショッピングin本屋。ひそかなマイブーム。
ところで、そんな本屋の楽しみ方をしていると、やたらと目に付くのが江國香織。評判を見るところ、あまり「面白い」と思うような作品なんだけど、なにしろタイトルが巧すぎる。装丁のよさも相まって、読んでもないのにマイブーム。江國香織。
余談であるが、乙一の「失はれる物語」が文庫化されていたのを見て、少し悲しい気持ちになった。この作品はハードカバーで出版された短編集であるが、そのうち書き下ろし（というかそれにしか入ってない作品）はマリアの指たった一作品。たしかになかなかよく出来た物語であるが、ただその物語１つのために文庫化をするという行為に、ひどく商業主義的なものを感じた（そもそも乙一自体が売れたらあまり書かなくなる人だけど）。そもそも、この本の良さは、ハードカバーで実現された素晴らしく美しい装丁を自らの本棚に飾り立てた時に味わえる充実感にあると思うし、だから文庫化は邪道だと思う。
と、ハードカバーを持っていたので文句を言ってみた（ぇ。