容疑者Ｘの献身／東野圭吾

容疑者Xの献身

　一人の天才数学者の、悲しいまでに一途すぎる想い。
　適わないと知りながら、それでも想い続ける純真なる愛。
　そんな彼の想いに、唯々共感を覚えずにはいられない。
　一方で、数学者対物理学者、友人同士の悲しき頭脳戦。
　犯人を推理するタイプのミステリではないけれど、天才数学者の考えた驚天動地のトリックに、全てが計画通りに進んでいく様子には戦慄を覚える。
　物語としても、ミステリとしても素晴らしい作品であったと思う。