風の歌を聴け/村上春樹

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 村上春樹のデビュー作ということだけど、繊細で綺麗な文章の隅々に、文学というものを強く感じさせられた。
 どうにも物語という印象は薄く、やけにあっさりとしていて、少し寂しい。
 しかし心の水面に一滴の雫が落ちるような、そんなコトバが随所に見られて素敵な作品だと思う。