これが私の優しさです/谷川俊太郎

これが私の優しさです 谷川俊太郎詩集 (集英社文庫)

これが私の優しさです 谷川俊太郎詩集 (集英社文庫)

 恥ずかしながら、詩集というものを初めて読んだのだが、これほど心に響くものとは思いもしなかった。詩というものに抱いていたイメージが自分の中で崩壊していく感触。イメージ通りのようなものもあるが、そのくくりは予想以上に広大だったのだ。
 感じたこと考えたことを言葉巧みに表現する。文ショウさながら言葉遊びをふんだんに使いつつも、言葉以上のものが伝わってくるというのはやはり巧いということだろうと思う。
 心に響き、何か考えさせられたりする作品が多い一方で、共感し難い作品もあった。しかし、それも含めての詩集。谷川さんの創る世界観。素晴らしいものであった。
 解説に言葉を借りるならば、自分は谷川さんから詩を享受することができただろう、そう思う。