デルフィニア戦記 第四部 伝説の終焉6/茅田砂胡

伝説の終焉〈6〉―デルフィニア戦記 第4部 (中公文庫)

伝説の終焉〈6〉―デルフィニア戦記 第4部 (中公文庫)

 もはやここまでくると何も言うことはない、大団円。
 しかし物語が完結を迎えてしまったことには、多少寂しさを感じざるをえない。
 物語の流れからして必然的なことばかりで、騙された感や、びっくりするようなことは全くなかったけれど、確実に終焉へ向かいつつある物語を、緊張しながら最後まで読み進めた。
 残った問題は次々と回収されて、全てカタが付いて、終わりを迎える。
 「戦記」だから仕方がないけれど、戦争が終わってしまえば物語も終わってしまうってのは、残念な部分が多いよね。その先が気になることもあるだろうに。
 もう最後だからって、やりたい放題のリィに、笑いよりも切なさが残る。
 このような素晴らしい作品に出会えた奇跡を、全ての神々に感謝したい。