コッペとBB団 その1/田口仙念堂

コッペとBB団 その1 (ファミ通文庫)

コッペとBB団 その1 (ファミ通文庫)

 子供向けアニメさながらの悪の組織BB団、それと正義のヒーロー。1号2号の脇役でいいヤツでバカっぷりが、そんな印象を強めている。さらに、ヒロインに5歳ほどの女の子、その保護者として根はいい人な感じの白衣のおっさんとあっては、ますます子供っぽくてほのぼのとした雰囲気が高まっている。
 その辺り、「吉永さん家のガーゴイル」とはまた違った種類のほのぼのコメディと言えるだろう。「吉永さん〜」から日常感と感動とを引いて、ほのぼの感やファンタジックな雰囲気を増やしてみるとこの作品になるかもしれない。
 内容の方はと言えば、全体的に盛り上がりも盛り下がりも少なく、ベタ。終盤の方などベタすぎて圧巻だ。キャラやその会話からくる、ほのぼのとした雰囲気が終始取り巻いていて、読んでいて癒されるようなコメディが主体。
 設定が色々と余っているようなので、次巻以降はどうなることやら。