デュラララ!!

デュラララ!! (電撃文庫)

デュラララ!! (電撃文庫)

 現代日本系の作品なので、越佐大橋のように重い作品かと思ったら意外とそうでもなかった。むしろ「狂気」がメインになっているような感じで、成田作品の中でも狂っている度合いは高いだろう。中でも折原臨也は、自分中心の屁理屈を展開するバッカーノ!に出てきそうなイカれ具合。ああいうのがいると話が面白くなる。
 それから、主人公である帝人のキャラは成田作品の中でも一番よかったと思う。後半部分、スパートをかけるような急展開の連続には、展開で読ませる力というものを感じた。間を置かないスピード感が素晴らしい。
 前半部分は伏線の張りすぎとか、導入部分の長さがやや単調。それほど面白くない上に、つまらぬ内輪ネタを使いすぎて一種のパロディーと化している辺りは勘弁して欲しいが、後半部分に完全燃焼できていたので由としようか。
 そして、相変わらずも終わり方が綺麗で上手い。スタッフ&キャストも含めて、あの人はそういうセンスはホントすごいなと思う。ただ、個人的には帝人の終わりで閉めて欲しかったかな。